ナノの世界の電子のさざ波を見ることに成功北海道大学電子科学研究所,筑波大学
人の髪の毛の太さの1000分の1程度のきわめて小さいサイズの金の微粒子は古くから光と相互作用することにより局在表面共鳴による発色が知られているが,それぞれの金ナノ粒子に誘起される共鳴状態の寿命は短く,観測することは難しいとされていた。この度,わずか7×10-15(10の ~15乗)秒の間だけ光るレーザー光線を金ナノ粒子に照射し,微粒子から放出される光電子を高分解能に画像化できる顕微鏡を用いて共鳴状態を可視化するとともに,レーザー光線を2つの光線に分割し,2つ目の光線を時間遅延させることにより,観測に成功した。
今後,プラズモン光アンテナを用いた光エネルギー変換デバイスの高効率化に向け,期待される。