産業/医療応用向けに次世代COレーザーの開発に成功コヒレント社
COレーザーは,何十年も前に開発されていたが,寿命が短く,低出力で行えるごくわずかな研究用途に使用が限定されていたところ,今回の技術革新により,長年注力してきたスラブ型CO2レーザーと同様の,寿命,信頼性,メンテナンス性を兼ね備えた新しい高出力COレーザーを開発し,使用可能領域を広げた。
波長10.6μmのCO2レーザーと異なり,COレーザーの波長はおよそ5 μmである。CO2レーザーの長波長では透過してしまう材料も,波長5μmを吸収する材料もあるため,様々な材料加工の可能性を拡げる。例えば,5 μmはプリント基板で使用されている誘電体材料や酸化銅だけではなく,プラスチックフィルムやポリマー,水などにも強い吸収を持っている。これは,これらの材料に高効率で加工できることを意味する。逆に,カルコゲナイドファイバーは,5 μmの波長では低い吸収率であるため,ファイバー伝送の可能性を拡げる。
また,COレーザーの波長は,CO2レーザーに比べ短いため,CO2レーザーの1/2のスポットサイズに集光できることにより,切断幅をより狭くでき,小径の穴加工に対応することができる。産業用COレーザーJ-35μmは,出力200W以上で,高いビーム質(M2<1.2)を実現しており,より小さなスポットサイズにできるとしている。