相変化光メモリーの動作を超高速化するメカニズムを解明筑波大学,産業技術総合研究所 研究グループ
同グループは,超短パルスレーザー光をマイケルソン干渉計を応用して励起光パルス対を生成し,GeTe/Sb2 Te3超格子薄膜に照射することにより,光学フォノン(周波数約3.5THz)の選択的励起とフォノン振幅の増強に成功した。また,この光学フォノンの選択的励起によって超格子構造中のTe原子を中心とした局所構造が,励起パルス対の照射後,約300fsという極短時間で2種類の局所構造に変化する過程を,コヒーレントフォノンスペクトルの時間変化を測定することによって観測した。
今後,相転移が熱伝導率に依存するのではなく,レーザーパルス対の時間間隔のみで制御できるという,まったく新しい動作原理の超高速スイッチング相変化デバイスが可能になると期待されている。