光による金属から絶縁体への変化を実現東京工業大学,東北大学 研究グループ
これまで光を使って金属的物質(導体)を絶縁体にする(電気の流れを止める)ことは困難とされていたが,梯子構造を有する材料の特異なホールペアの動きを利用して,光励起による電気の流れのオフ・オンを実現した(「隠れた絶縁体状態」と呼ばれる)。さらに,光パルス列を対象試料に照射することにより,室温を含む広い温度域で1ピコ秒以内に絶縁体と金属との変化を双方向で切り替えることにも成功した。
今後,「隠れた絶縁体状態」の原理を確立することにより,新規な光制御技術・光機能性物質の開発に明確な指針を与えるだけでなく,室温を含む広範囲の温度域で高速に動作する次世代光スイッチングデバイスへの応用展開に向けて大きく前進すると期待される。