3Dプリンター対応PPS樹脂微粒子を開発東レ(株)
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東レ(株)は,3Dプリンターに対応したPPS樹脂微粒子「トレミルPPS」の開発に成功,販売を開始したと発表した。近年,航空機やロボットなどの部品製造においては,3Dプリンターを用いて3Dデータから最終製品を直接製作する工業用DDM(ダイレクト・デジタル・マニュファクチュアリング)が広がっている。DDMに用いら
れる3Dプリンターの方式には,主に「粉末床溶融結合法」と「材料押出法」があり,なかでも,粉末床溶融結合法は,造形物の高い寸法精度と強度を実現できる方式として,今後の急速な拡大が見込まれている。この造形素材としては,主にナイロン樹脂の微粒子が使用されてきたが,耐熱性や強度等に課題があり,展開用途には限界があったところ,東レの高機能PPS樹脂「トレリナ」をベースに,独自のポリマー設計技術により,PPS樹脂微粒子「トレミルPPS」の開発に成功した。これにより,粉末床溶融結合造形に最適な流動性やポリマー特性等を有するようになり,高耐熱性,高耐薬品性,高強度が求められる自動車や航空宇宙,産業・医療用機械などの幅広い用途に向けたDDMの適用が可能となる。今後,同社はポリマー設計技術や微粒子化技術の高度化,炭素繊維との複合化などにより,さらなる強化グレードの開発に取り組み,多様な材料をラインアップするとしている。