スピン流によって生成される温度変化の可視化を実現東北大学 研究グループ
物質中には様々な流れが存在しており,磁気の流れである「スピン流」と熱の流れである「熱流」の相互作用は新しい熱利用・熱制御の基礎現象として注目されてお り,スピン流に伴ってどのような温度分布が生じるのか明らかにすることが望まれていた。同グループは,スピン流で加熱・冷却するスピンペルチェ効果によって生じ た温度変化を熱画像として可視化することに成功した。
この結果により,スピンペルチェ効果に伴う温度変化は,スピン流のある領域付近のみに局在し,周囲に拡がらないことが見い出された。
この発見は,電流によって生じるジュール熱などによる温度変化が熱流を伴って拡がっていくのとは対照的であり,スピン流によって局所的に温度を調整できる可能 性を示し,スピントロニクスに基づく新たな熱制御技術の発展に繋がることが期待される。