500mの「レーザーの直尺」で地面の微小変動を連続観測に成功高エネルギー加速器研究機構(KEK) 研究グループ
同グループは,トンネル床面の微小変動の連続観測を平成28年1月7日から8ヶ月間実施した。本システムのレーザー入射角度を±100万分の3度の範囲に安定させた「高精度レーザー直尺」と,トンネル床面に分散配置された光センサーの自動計測技術は独自開発である。観測データによると,床面の日々の動きは複雑で不規則であるが,全長にわたり1日約5μmの大きさで変位していることが判明した。これは,毛髪の太さよりはるかに微細な動きがレーザー直尺で計測可能になったことになる。この成果は,現在KEKが進めているSuperKEKBプロジェクトの入射器の性能向上だけでなく,次世代の長距離線形加速器の高精度アライメントへの応用や,さらにはビームをリアルタイムに高精度自動補正する技術や大規模地震や地殻変動の監視システムへの応用にも期待される。