加工用レーザーのパワー制御システムを開発産業技術総合研究所 研究グループ
高出力レーザーは,複合材料などの加工が難しい材料の切断や,自動車ボディーの溶接などへの利用が拡大している。しかし,実際の加工現場では,作業環境の温度変化などによってレーザーのパワーが揺らぐことがあり,歩留まりの良い加工を行うため,レーザーのパワーを安定化する技術が求められていた。
今回,対向する2個のプリズムからなる素子を用いて光の反射量を精密に調整することで,高出力レーザーのパワーを高精度に制御するシステムを開発した。このシステムを用いて,2kW/㎠の加工用レーザーを制御し,パワーの揺らぎを0.1%以下に抑制して,レーザー出力を安定化できることを実証した。さらに,この技術は,レーザービームの形状制御にも応用できるため,材料特性や加工用途に最適なビーム形状の生成も可能となる。