遺伝子のスイッチを「光」と「薬剤」で制御できる新技術を開発京都大学 研究グループ

 京都大学の研究グループは,哺乳類細胞において,「青色光」により遺伝子のスイッチ(遺伝子発現)を効率よくオン/オフできる新しいテトラサイクリン誘導系(Tet)システムを開発したと発表した。
 これまで酵母細胞などでは,光もしくは薬剤を用いて遺伝子発現を制御する技術は知られていたが,哺乳類細胞ではその効率が必ずしも満足いくものではなかった。そこで同グループは,シロイヌナズナ由来の光受容体に着目し,それを従来のTetシステムと組み合わせることにより,遺伝子発現のオン/オフを「青色光」と「薬剤」で制御できる新しい技術の開発に成功した。この技術(PA-Tetシステム)を用いることにより,マウスの脳の神経幹細胞や神経細胞あるいは皮膚中に存在する細胞など,さまざまな哺乳類細胞において,それらの遺伝子発現を光と薬剤で効率よく制御できることが示された。
 本技術を用いることによって,幹細胞の細胞増殖や細胞分化に関与する遺伝子のダイナミックな発現パターンを「光」と「薬剤」によって人工的に操作することが可能となり,発生・幹細胞・神経科学研究への貢献が期待される。

遺伝子のスイッチを「光」と「薬剤」で制御できる新技術を開発
~発生・幹細胞・神経科学研究への貢献に期待~
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20181010/index.html

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