AIによる土石流検知センサーシステム産業技術総合研究所,国土交通省 国土技術政策総合研究所(国総研) 研究グループ
このシステムは,汎用部品を用いた安価なセンサーを土石流が発生する地域に複数,面的に配置して,それらセンサーからの振動波形をAIによって解析して真の土石流だけを検知できる。今回,土石流が頻発する桜島で,2017年に約1か月間,複数のセンサーの振動データを収集して学習データを生成し,その学習データから土石流判定AIソフトウエアを開発した。このソフトウエアに対して,桜島の実データで交差検証を行ったところ,誤検知なしですべての土石流を検知できる見込みを得た。従来手法では誤警報が約95%にも達しており,AIを用いた今回開発したシステムの有用性を確認できた。
今後は,この現場のPCに機械学習が完了した土石流検知部ソフトウエアを実装して実時間での土石流検知を行う。さらに,計測データと質の高い学習データを蓄積して,桜島以外での箇所でも土石流を検知できることを実証する。一方,将来の普及を見据えて,安価で耐久性のあるセンサー開発を継続する。
AIによる土石流検知センサーシステム
-安価なセンサーの複数配置で真の土石流だけを検知-
https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2018/pr20181010_2/pr20181010_2.html