赤外線天文衛星「あかり」,小惑星に水を発見神戸大学,宇宙科学研究所,東京大学 研究グループ
得られたデータの詳しい解析から,リュウグウと同じC型小惑星の進化の過程を明らかにした。本研究によって,太陽系の水の分布や小惑星の起源と進化だけでなく,地球の水や生命の起源への理解も進むと期待される。
本研究によって,これまで不明確であった小惑星における水の存在が明らかになり,さらに,水の存在を手がかりにしてC型小惑星の進化の過程を示すことができた。今回観測された小惑星のスペクトルには,特徴の現れ方にいくつかのパターンがあることがわかった。その違いを引き起こす要因として,小惑星の大きさや太陽からの距離などが考えられるが,これを解明するには,地球で採取される隕石の測定結果との詳細な比較を行うとともに,さらに多くの小惑星の観測を積み重ねることが必要である。それによって,地球の水の起源や太陽系の形成史をひもとくヒントが得られると期待される。