SACLAの明るさを6倍にすることに成功理化学研究所,高輝度光科学研究センター 研究グループ
従来のXFELでは,最終的に得られるXFELに大きな波長広がりがあるという問題があった。今回,同グループは,波長広がりが小さなXFELの発振法(反射型セルフシード法)を考案した。この方法では,一度XFELを発振させた後に,分光器によってXFELを単色化し,それを「種」として再度XFELを増幅させることにより,波長広がりが小さなX線ビームからレーザー増幅が始まるため,最終的に得られるXFELの波長幅が極めて狭くなる。この方法をSACLAに適用した結果, 従来のXFELと比較して波長幅が約10分の1,明るさ(輝度)が6倍もの超高輝度のXFELの生成に成功した。
本研究成果は,XFELを用いた実験の高効率化やX線非線形光学現象の観測などの新しい科学の開拓に貢献すると期待される。