日本企業開発の観測ロケットが宇宙に到達インターステラテクノロジズ(株)

 国内ベンチャーのインターステラテクノロジズ(株)が開発した小型の観測ロケット「MOMO」の3号機が5月4日の5時45分,同社の実験場から発射,約120秒のエンジンの燃焼を正常に終え,約240秒後に地上100 kmの宇宙に到達した。その後,発射位置から数十キロメートル離れた海面に着水して飛行実験に成功したと発表した。国内企業単独で開発した観測ロケットが宇宙空間に到達したのは初めてである。
 ロケットには中部大学が開発した全地球測位システム(GPS)用の受信機「Firefly」が搭載された。速度を大きく変えながら飛行しているロケットの位置を正確に計測し,MOMO3号機が高度100 kmに到達したことをリアルタイムで地上の管制局に知らせることに成功した。
 開発したGPS受信機は縦22 mm,横17 mmの切手サイズで厚さ3 mmと小さい。利用拡大のため,低価格のカーナビテーションシステム用を改良した。ロケットの速度が急激に変化してもGPS衛星からの電波を正確にとらえるアルゴリズムは独自に開発した。
 従来は地上からレーダーでロケットの位置を計測していたが,民間企業が独自に高価なレーダー局を建設し,維持し続けることは難しい。超小型衛星の打ち上げ需要の増加にともない,民間企業による小型ロケットの開発競争が激化する中,中部大学が開発した小型GPS受信機は,従来の地上レーダーに取ってかわる技術として期待されている。

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