酸素吸蔵・放出材料における酸化反応の軌跡を可視化理化学研究所(理研),東北大学,北陸先端科学技術大学院大学 研究グループ
今回,同グループは,2次元空間での試料の高空間分解能化学状態可視化技術である「タイコグラフィーXAFS法」に,CTの手法を組み込んで3次元空間情報へと拡張した「3D-HXSP法」を新たに開発した。大型放射光施設「SPring-8」で測定を行ったところ,タイコグラフィーの高空間分解能を維持したまま,セリウムを含む試料粒子の3次元空間分解XAFSスペクトルの取得と価数分布の3次元空間可視化に成功した。さらに,この3次元価数情報を教師なし学習と呼ばれるデータマイニングと連携させることで,試料粒子内部での酸化反応を軌跡として可視化することにも成功した。
今後,さまざまな先端機能性材料のナノ構造・化学状態分析に応用されるものと期待される。