低反射率で耐久性の高い偏光シートを印刷技術で実現産業技術総合研究所と菱江化学(株),東海精密工業(株),伊藤光学工業(株) 研究グループ
今回,金属インクでワイヤーグリッド偏光素子の構造を形作り,適切な焼成により,偏光度99%以上,反射率5%以下の低反射率ワイヤーグリッド偏光シートを実現した。従来のワイヤーグリッド偏光素子は,偏光度が高い,透過率が高い,薄い,といった特長を兼ね備えているが,緻密に成膜された金属を用いているため反射率が高く,その用途は液晶プロジェクターなどに限られていた。開発した技術により,従来のワイヤーグリッド偏光素子の特長を活かしつつ,反射率を低減できた。また,耐熱性,耐湿性,耐光性,耐スクラッチ性も備えているため,これまで応用が難しかった,眼鏡業界,自動車業界などへの展開も期待できる。