残光による生体深部温度の新規計測技術を確立東北大学,国立病院機構仙台医療センター 研究グループ

 東北大学と国立病院機構仙台医療センターの研究グループは,低侵襲・位置選択的な生体深部温度センシングを可能とする,残光体(蓄光体)を用いた新しい光学計測技術の提案およびその基本原理の実証に成功したと発表した。
 心肺停止時の脳保護に有効な体温調整法などの高度先進医療において,体温の計測や管理は極めて重要である一方,温度モニターはカテーテル挿入により行われることから,身体的負担が大きく,測定箇所が限定されるのが実情であった。本研究では,脳内など生体深部の温度を任意の位置かつ低侵襲で観測できる手法として,残光および輝尽発光現象による生体温度センシングを提案した。本研究を発展させることで生体深部における時間的・空間的温度計測が可能となり,これは高度先進医療のみならず,思考・感情といった脳内における複雑な生体反応の観察や解明にも資するものと期待される。

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