18桁精度の可搬型光格子時計の開発に成功東京大学,理化学研究所 研究グループ
一般相対論的効果の多くは「宇宙スケール」の現象として議論されてきたが,18桁精度の原子時計では,わずか数cmの「日常的なスケール」の高さの違いで時間の遅れが観測できる。この結果,従来の技術の範疇では考えられることのなかった,新たな「相対論的センシング技術」が誕生する。これまで実験室環境で実証されてきた超高精度な光格子時計の小型化・可搬化と実験室外運転の実証は,この「相対論的センシング技術」の実用化に向けた大きな突破口となる。
高精度な可搬型光格子時計は,プレート運動や火山活動などによる地殻の数cm精度の上下変動の監視,GNSS(全球測位衛星システム)や高感度重力計と補完的に利用できる超高精度な標高差・重力場計測システムの確立など,将来の社会基盤への実装が期待される。