有機トランジスター用半導体の超高速塗布成膜に成功東京工業大学 研究グループ
得られた結晶膜は基板全面にわたり均一で,これを用いたボトムゲートボトムコンタクト型トランジスターは素子間のばらつきが小さく,高い移動度(Ph-BTBT-10:4.1 cm2 /Vs,σ:18 %)を示した。さらに,10 cm角の基板上に形成した結晶膜を用いて作製した250個のトランジスターにおいても,同様の移動度を得た。
有機半導体膜の成膜の高速化は印刷技術を用いたエレクトロニクスの実用化の試金石であったが,今回の成果は溶液プロセスを用いて高速化が可能であることを実証したもので,低コストのRF-IDタグやIoTトリリオンセンサーなどの実用化を大きく推し進めるものと期待される。