テラヘルツ光が姿を変えて水中を伝わる様子の観測に成功量子科学技術研究開発機構,理化学研究所,大阪大学 研究チーム

 量子科学技術研究開発機構,理化学研究所,大阪大学の研究チームは,パルス状のテラヘルツ光を水面に照射すると光音響波が発生し,テラヘルツ光の届かない水中にまで,エネルギーが効率良く伝わることを発見したと発表した。
 今回の発見は,テラヘルツ光を水に照射するだけの極めて簡便な方法で,周辺への影響を最小限に抑えながら水中の物質に非接触でエネルギーを与えることのできる新たな技術となる。すでに研究チームは,本技術により生体細胞内に存在するアクチン繊維を,細胞死を招かず切断することに成功している。従来の機械的超音波発生法に加えて,テラヘルツ光を用いた非接触な発生法が新しく生まれることで,医療診断や治療など様々な応用が考えられる。また,水中環境下で細胞やDNA,高分子材料等を非接触で操作するといった,生命科学や材料開発等への応用が期待される。

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