医師の判断プロセスに学んだ緑内障の画像診断システム理化学研究所,東北大学

 理化学研究所,東北大学の研究チームは,階層転移学習を適用し,少数の医用画像から緑内障の病態を自動分類する機械学習モデルを構築し,治療方針を決めるための有用な情報を提示することに成功したと発表した。
 本研究成果の機械学習法による画像診断システムは,緑内障に限らず,ラベル付きデータを収集することが困難な医療分野で,少数の医用画像から高精度な病態分類の機械学習モデルを開発する手法として有用である。
 緑内障の診断には,視神経乳頭形状に基づく分類(ニコレラ分類)が有効である。しかし,医師が眼底検査画像の読影により主観的に判断して分類するため,客観性がなかった。
 今回,同チームは,医師の診断プロセスに学んだ機械学習法を独自に開発した。この機械学習法により,眼底検査装置の光干渉断層計(OCT)で撮影した画像データを用いて,緑内障病態分類モデルを構築した。このモデルでは,階層転移学習を用いない従来法に比べて専門医による分類結果との一致度が高精度(Cohen’s Kappa:0.809)であり,データ数を1/4に減らしても高精度を維持した。

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