貼るだけで3次元ナノアンテナを作製京都大学
ナノアンテナはナノ粒子を平面上に周期的に敷き詰めた構造で,例えば蛍光体基板の上にナノアンテナを作製すると,発光の増大と指向性の付与が実現する。ナノアンテナを上下に重ねた3次元ナノアンテナができると,さらに大きな効果が期待できるが,これまで作製の困難さから研究が進んでこなかった。同グループは,最近開発したナノアンテナシール技術を応用し,簡単に2層のナノアンテナが積層した3次元ナノアンテナ構造を作製する手法を開発した。2層の間に発光層を挟むことで,両層のナノアンテナ効果を同時に受けた発光の増大と指向性の付与ができることを実証した。
今回の実験はコンセプトの実証実験であり,それぞれのナノアンテナの構造と発光層の厚さには多くの改善の余地がある。今後の研究により,積層構造の最適化を通じた発光増強効果の最大化を目指すとしている。