AIの機械学習で初めて量子を制御沖縄科学技術大学院大学，オーストラリア クイーンズランド大学

　沖縄科学技術大学院大学とオーストラリアのクイーンズランド大学の研究チームは，測定値にノイズが多い場合でも，機械学習の一種である強化学習を用いることで，正確な量子制御が可能であることをシミュレーションにより明らかにして発表した。
　量子の世界では，測定するたびに対象物が乱され，誤差が生じるため，正確に物事を測定することが非常に難しい。使用する機器から系の特性まで，実にあらゆるものが測定結果に影響を与える可能性があり，科学界ではこれをノイズと呼んでいる。ノイズを含んだ測定値を使って量子システムを制御することは，特にリアルタイムでは難しくなるため，強力な量子コンピューターや医用画像処理などの量子技術に利用するためには，正確な測定に基づく制御方法を見つけることが不可欠であった。今後，さまざまな量子系での粒子の制御において人工知能が有用なツールとなり，量子技術の開発に役立つと期待される。