美濃島 薫氏が第5回光工学業績賞(高野榮一賞)を受賞第5回光工学業績賞(高野榮一賞)
美濃島氏は,周波数測定基準として提案されていた光周波数コム技術の広範な可能性に着目して,光周波数コムの概念と応用性を拡張し,光波を自在に制御・操作するツールとして,「光周波数コムによる光の時空間制御・操作技術の創出と光学計測への貢献」が認められ,受賞が決定した。
美濃島氏による受賞の感想は以下のとおりである。
「私の受賞テーマである光周波数コムは,周波数軸上に超精密な櫛状スペクトルをもち,人類が手にした最も正確なものさしと呼ばれています。同時に,時間軸上では制御された超短パルス列の面を持っています。私は超高速分野から精密計測の世界に入ったのですが,当時は,両者は直交する研究分野で,私の研究も十分理解していただけない面がありました。しかし,私は,光の性質を使いつくすことで,その応用分野を広げたいという思いから,光周波数コムの多次元性や,それらを自在に操る高い制御性に注目し,単なる光周波数の精密計測に留まらないツールとして可能性を広げることに注力してきました。本受賞によって,それを認めていただけたことを大変うれしく思っております。ここに,これまで一緒に刺激的な研究を続けてきた多くの学生・若手研究者を含む共同研究者の方々に感謝申し上げるとともに,今後も,分野横断的な光の可能性を広げる新しい挑戦を一緒に続け,広範な科学技術に貢献していきたいと思っています。」