量子アニーリングを活用したフォトニック結晶レーザーの構造最適化に成功京都大学,慶應義塾大学,早稲田大学
今回,同グループは,製造分野への量子計算の適用可能性を検証するための例題として,将来のスマート加工用レーザー光源としての普及が期待される「フォトニック結晶レーザー」の設計問題に,量子アニーリングによる構造最適化の手法を適用した。その結果,フォトニック結晶レーザーが有する多様な設計自由度を活用することにより,レーザーの性能を表す重要な指標である「光出力」「ビーム拡がり角」「直線偏光比」の3つすべてを向上可能な新たな設計を見出すことに成功した。本成果は,これまで限られた問題への適用が中心的であった量子計算技術が,製造分野における,製品設計や生産工程の最適化問題に対しても広く適用出来る可能性を示唆するものであり,スマート製造分野の発展に向けた重要な一歩であるといえる。