有機EL素子の中の分子の向きを“待ち時間”で制御 ~「一時停止」蒸着法~千葉大学,群馬大学
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群馬大学などのチームは、有機分子を真空蒸着する際にあえて蒸着を一時停止することで、分子の配向が変化する様子を調べ、有機EL素子(OLED)の特性に直結する分子配向を任意に制御する新手法を開発した。
本研究では開発した測定装置で蒸着中のサンプルの表面電位をリアルタイムで測定。配向変化を観測した結果、蒸着中~直後は一定の配向度で分子が並ぶが、蒸着を一時停止すると100秒程度の時間で配向が徐々にランダム化することを発見した。さらに、蒸着条件の変化で、分子の頭尾の向きも逆転できた。 有機ELの性能向上や、その他の有機半導体を用いた素子開発に役立つことが期待される。