カニの殻由来の素材を半導体や蓄電池に ―半導体特性と蓄電効果が発現―東北大学,東京大学
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東北大学などのグループは、蟹殻から得られるキトサンから作られた、厚さナノメートルサイズのナノファイバー(ChNF)シート材に半導体特性と蓄電特性が発現することを見出した。シート材のI(電流)-V(電圧)カーブは、負電圧領域に顕著な負性抵抗が現れるn型半導体特性を示した。また電子スピン共鳴法の測定から伝導電子はアミニル基(N●H)基の不対電子ラジカルであることを明らかにした。
本研究グループは、既に植物性ケナフ原料のセルロースナノファイバーに同様の特性を発見、今回の動物性キトサンの結果と合わせると、従来絶縁体と認識されている低廉なバイオ素材からの半導体作製が期待でき、さらには「ペーパーエレクトロニクス*」の実用化にも応用の可能性がある。
*セルロースやキトサンを基材として紙本来の特性を利用したエレクトロニクス。