オリゴ糖の測定が容易になる,疎水性を選択的に感知する新規蛍光色素を開発福井県立大学,近畿大学
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ブドウ糖などの「単糖」が数個繋がったオリゴ糖は、整腸作用などの発現など機能性食品素材として注目されるが、オリゴ糖分子には良好な発色団がないことや物理化学的な性質が類似する異性体が多く存在するなどで、手軽に測定できない。
一方で強い疎水性(油の性質)をもつ蛍光分子は、水中では油滴のように自己集合することで蛍光が弱くなり、利用法が限られていた。福井県立大などのグループは、疎水性(親油性)に反応するBODIPY色素に、親水基と疎水基をバランスよく導入した新規蛍光色素(BOliFlour)を開発、蛍光分子に適度な揺らぎをもたせると、自己集合する代わりにオリゴ糖のような柔らかな構造を持つ疎水性分子に結合して強く蛍光を発することを見出した。特に、フェニル基を結合させたBOliFlour 2は、環状・直鎖両方のオリゴ糖に反応し、比較的簡便にオリゴ糖の量が測定できた。
今後はこの原理を利用して、さらに高感度かつ高選択的なオリゴ糖測定法の開発が期待される。