光電子運動量顕微鏡を二刀流にアップグレード分子科学研究所,総合研究大学院大学,大阪大学
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総合研究大学院大学などのグループは、 世界初、2つのビームラインからの放射光を利用できる光電子運動量顕微鏡実験ステーションを開発しました。既存の真空紫外光ビームラインBL7Uに分岐を新設した、軟X線ビームラインBL6Uからの光が試料表面に斜入射で利用する光電子運動量顕微鏡実験ステーションにより、BL7Uからの光も直入射で利用できるようになった。
この世界初の装置により、(1)斜入射軟X線による高感度元素選択的測定、(2)直入射真空紫外光による高対称光電子分光測定が可能となる。直入射配置での光電子分光が現在利用できるのは、分子科学研究所極端紫外光研究施設(UVSOR)の本装置のみである。本装置の駆使で、物性をつかさどる電子のふるまいの、より包括的かつ高精度な解析、特に、価電子帯軌道の解析に重要な進歩をもたらす。光電子運動量顕微鏡では飛び出すすべての光電子を分析でき、物性を決定づける原子軌道の完全解析に近づいたといえる。