有機半導体の電子ドーピングを飛躍的に安定化 ―大気下における寿命を100倍向上―東京大学,物質・材料研究機構(NIMS),ジョージア工科大学,コロラド大学ボルダー校
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東京大学などのグループは、還元剤と分子性カチオン(注1)が協奏的に作用する独自の電子ドーピング技術を開発。これにより、電子と様々な分子性カチオンを有機半導体(注2)へ導入することが可能になり、高安定性を有するドーピングを実現。さらに導入する分子性カチオンを自在に探索でき、ドーピング状態の寿命を従来より100倍程度向上させる材料を発見した。
本手法でドーピングの安定性が飛躍的に向上、電子ドーピングのデバイス活用が容易になる。今後有機半導体を用いた低コスト、フレキシブルな光・電子機能デバイスの高性能化が加速すると期待できる。
(注1)正電荷を持つカチオンとして振る舞う分子材料。
(注2)半導体としての機能を持つ有機分子材料。インク化でき、インクジェットなどの低コスト印刷で製膜可能。