レンズ・プリズム・波長板の3機能を1枚に統合した小型集積化メタサーフェスを開発東京農工大学,情報通信研究機構,早稲田大学
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東京農工大学などのグループは、メタサーフェス*の利用でレンズ・プリズム・波長板の3種類の光学素子を1枚の超薄型素子に統合した。従来のRb(ルビジウム)原子時計にはレンズ・回折格子・波長板が用いられるが、組み合わせて利用するとかさばり小型化が困難であった。スマートフォンに搭載可能な超小型原子時計への応用が期待される。
今回メタレンズ**に関する研究を発展、プリズムと波長板の機能を追加することで、レンズ・プリズム・波長板の光学素子を1枚の超薄型素子に集積化する技術を開発した。メタアトムと呼ばれる光の波長より小さい構造体を配列して光を制御するメタサーフェスは、薄さ数ミクロン程度で様々な光学的機能を実現でき、次世代の光学デバイスとして注目される。今回開発の素子は基板上に半導体の製造プロセスを用いてメタアトムを配列し、非常に薄型かつ大量生産も可能。
*光の波長に比べ小さな誘電体導波路構造を配列することで、自然界には存在しない屈折率や光機能を実現できる機能性表面。
**メタサーフェスの考え方に基づき作られた、誘電体導波路を配列したレンズ。