性能が従来比10倍の酸化物薄膜トランジスタ~次世代の超大型有機ELテレビに~北海道⼤学,⾼知⼯科⼤学
-
北海道⼤学などのグループは、従来⽐10倍の性能を⽰す実⽤レベルの酸化物薄膜トランジスタを実現した。次世代の超⼤型8K有機ELテレビ開発を後押しする成果である。
現在の4K有機ELテレビの画⾯には酸化物IGZO薄膜トランジスタが使⽤される。現状、電⼦移動度は5~10cm2/Vs程度だが、次世代の超⼤型8K有機ELテレビには70cm2/Vs以上の電⼦移動度を⽰す酸化物薄膜トランジスタが必要である。今回のグループでは、2022年に電⼦移動度140cm2/Vsを⽰す酸化インジウム薄膜トランジスタを実現したが、安定性が極めて悪く実用的ではなかった。今回、不安定性の要因である空気中の気体分⼦の吸着・脱離が起こらないよう、酸化インジウム薄膜の表⾯を原⼦レベルで保護する膜で覆うことで、⾼い電⼦移動度(移動度78cm2/Vs)を維持したまま、安定性を⼤きく改良することに成功した。現在の画⾯サイズの4倍の超⼤型8K有機ELテレビ実現に向けた⼤きな成果と⾔える。