次世代エレクトロニクスへの展開に期待! 特殊な磁石の磁区パターンを光で可視化大阪公立大学,東京大学
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- 大阪公立大学などのグループは、擬一次元量子反強磁性体BaCu2Si2O7の方向二色性*が現れる光の入射方向や波長などの条件を調べ、それに基づき光学顕微鏡で観察したところ、明と暗の領域がそれぞれ異なる磁区に対応していることが分かった。また、一定の外部磁場を与えた状態で電場を与えると、磁壁が移動することが判明した。今回の観察手法をさまざまな擬一次元量子反強磁性体に適用することで、新たな知見が得られると期待される。
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- 反強磁性体、中でも擬一次元量子反強磁性体は、次世代エレクトロニクスへの応用が期待されるが、反強磁性体の磁区観察**において擬一次元量子反強磁性体は磁気転移温度が低いうえスピンの秩序化成分が小さく従来の手法での観察は難しいと予想され、これまで報告がなかった。
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- *磁性体において発現する特殊な光学現象。
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- **反強磁性体は正味の磁化をもたず、磁気光学効果による磁区の可視化は一般にできない。そのため反強磁性磁区の観察は、高強度レーザーを用いた非線形光学イメージングや放射光を用いた磁気共鳴回折イメージング、漏洩磁場に敏感な探針を走査する走査型プローブ顕微鏡などを用いる。