小さなエネルギーの励起光を用いて、特定の色中心からの単一光子発生に成功京都大学,公立千歳科学技術大学,シドニー工科大学,科学技術振興機構
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超高速演算が可能な光量子コンピューターや盗聴不可能な暗号通信である量子暗号通信などの実現には、単一光子源が重要である。最近、単⾊性に優れた光⼦が室温で安定に発⽣する新たな光子源として、窒素とホウ素の層状物質「六⽅晶窒化ホウ素(hBN)」中の色中心が注⽬される。しかし、発光波長の異なる複数の色中心がほぼ同じ場所に存在する場合、発生する光子より大きなエネルギーで励起する従来法では、対象の色中心以外からの発光がノイズになり重大な問題であった。
京都大学などのグループは、発生する光子よりも小さなエネルギーの励起光を用いることで、特定の色中心から選択的に単一光子を発生させることに成功した。また、この励起方法によりノイズとなる背景光子を低減できることも実証した。