量子機械学習による 通信故障診断システムの実証実験に成功電気通信大学,ソフトバンク,慶應義塾大学
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電気通信大学などのグループは、127量子ビット*のプロセッサーを搭載したIBM社製の超伝導型ゲート式量子コンピューターと、Q-CTRL(Qコントロール)社のエラー抑制システムを用いて、量子機械学習による通信サービス故障診断システムの実証実験に成功した。本研究ではソフトバンクの通信故障診断用データセットを使用し、量子機械学習アルゴリズムの一つである量子カーネル学習を活用した通信故障診断システムの評価を行った。シミュレーターと実機の比較評価結果によれば、Q-CTRL社のエラー抑制システムの導入により量子ノイズが大幅に低減され、30量子ビット時の故障原因推定性能82%を達成。このビット数は、現時点で実機を用いた量子カーネル学習での世界最高記録である。
*量子ビット:量子コンピューターの情報の基本単位。0と1の両方の状態を同時に扱えるため、一度に多くの計算を並列的に行うことができる。