デバイス材料中の電子スピンの計測時間をAI導入により大幅に短縮量子科学技術研究開発機構,広島大学

     量子科学技術研究開発機構などは,「スピントロニクス*」デバイス材料内部でその機能を担う電子スピンの計測技術の実用化に向け計測時間を大幅に短縮した。  超スマート社会(Society 5.0)の実現では省エネ性能向上のため「スピントロニクス」デバイスが注目されるが、これにはデバイス材料内部におけるスピン状態の計測が開発に役立つ。本研究グループは、最先端の計測技術「軟X線スピン・角度分解光電子分光法(SARPES)」によるスピン状態の計測装置を開発したが、計測は長時間となり試料の劣化による精度が低下で実用に至らなかった。
     今回、計測プロセスにAI技術を導入、短時間の計測でノイズが多くても正しい情報を抽出できるようにし、計測時間を従来の1/10と実用レベルにまで短縮できた。本計測技術を3GeV高輝度放射光施設NanoTerasuに導入することで、1日以内で十分な精度の計測が実施できた。

    *エレクトロニクスでは電子の持つ電荷のみが利用されているのに対し、スピントロニクスでは電子の持つスピンの状態(向きと動き)を利用する。

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