波長変換技術により 高輝度赤色ペロブスカイトナノ結晶LEDの作製に成功山形大学
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山形大学のグループは、窒化物半導体InGaN系青色LED上にメタクリレート系ポリマーバインダーに分散したペロブスカイトナノ結晶膜を形成した波長変換(色変換)型LEDを作製することで、赤色ナノ結晶LEDにおける世界最高水準の発光効率(外部量子効率)とデバイス寿命を維持しながら、大幅な高輝度化(3.5 mW/cm2, 1.9 × 103 cd/m2)に成功した。
今回、金属ハライドペロブスカイトナノ結晶の塗布プロセス技術によって、窒化物半導体InGaNを用いた青色LED構造上に光の三原色(RGB:赤緑青)で発光する素子を同一基板上に一体集積化できる波長変換型のLEDを提案した。赤色発光ペロブスカイト(CsPbI3)ナノ結晶をメタクリレート系ポリマーバインダーに分散することで、発光効率・発光安定性の大幅な向上に成功した。CsPbI3ナノ結晶膜をInGaN系青色LED上に実装してほぼ完全な赤色変換を実証し、現在報告される世界最高水準のCsPbI3ナノ結晶赤色LEDと同程度の外部量子効率・素子寿命を維持しつつ、一桁高い光強度(3.5 mW/cm2, 1.9 × 103 cd/m2)を実現した。ナノ結晶サイズ縮小による短波長化により次世代ディスプレイ規格であるハイダイナミックレンジも実現でき、ディスプレイ産業応用上で有用な方法であると期待される。