シリコンフォトニクスによる光のスキルミオン生成に成功 ―新しいトポロジカル光ビームのオンチップ生成―東京大学，東京科学大学，慶應義塾大学
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東京大学などのグループは、スキルミオン*トポロジーを持つ特殊な光ビームを、シリコンフォトニクス技術を用いて作製した小型光素子を用いて生成することに成功した。
本研究では、細線導波路による強い光閉じ込めの結果として顕著に発現する光のスピン・軌道相互作用に注目、同現象を利用して光の角運動量を制御することで、微小な光素子によりスキルミオンの特徴を持つ光ビーム(光スキルミオンビーム)の生成を初めて実現。光スキルミオンビームは外乱に対し強固な耐性を持つ光通信等を実現すると期待されるが、従来は装置サイズや安定性に課題が残されていた。今回、シリコンフォトニクス技術で実現できる微小光素子の活用により、この課題を克服できる可能性を示し、光スキルミオンビームが持つ多様な可能性を開花させる要素技術となることが期待される。
*スキルミオン:古くは素粒子分野で提唱された連続場のトポロジカルな準粒子を指す。今回対象とするその二次元版は特にベビースキルミオンとも呼ばれ、典型的には3成分の実ベクトルで表現される物理量が空間的に渦を巻きながら上下が反転していく構造を取る。
