ベンチャーで成功するには,どこに用途があり,誰が買うのか分かっている必要があります。東京大学 物性研究所 渡部 俊太郎
ハイエナジーレーザーと高次高調波
電総研には6年間いたわけですが,そのうちの1年はカナダのNRC(National Research Council)にいました。その後は東大の物性研究所に移り,核融合とは異なる用途のハイパワーエキシマレーザー開発のプロジェクトにたずさわりました(図1)。
図1 コマツ(一部ギガフォント)と
共同開発したエキシマレーザー。
エキシマレーザーには,2タイプがあり,露光装置用のように4kHzといった超高繰り返しで発振するものと,液晶アニーリング装置用のように,それほど繰り返しは必要はないけれども,ワンショットあたりのピーク出力が高いタイプがあります。

高次高調波というのは,高ピーク出力レーザーをガスのなかに絞って出すことで発生するもので,その波長の1/奇数の光が出てきます。音楽に例えると,1オクターブ高い倍音が出ることになります。現在,高次高調波は数100次まで出すことができますが,当時はそこまで出せず,1989年に25次で9.9nmの波長を出し,世界最高を記録しました。