絶え間ない努力をして 本当に自分がやりたいことをやり続けるメキシコ光学会(AMO)会長 CIO(光学研究所)教授 Dr. アマリア・マルチネス・グラーシア
学生を英語に慣れさせるため国際会議は英語で開催
聞き手:アマリア先生はメキシコ光学会の会長をお務めですが,メキシコ光学会について簡単にお教えください。アマリア:メキシコ光学会は1987年に設立され,会員は研究生と学生で500人ほどです。私がまだ修士課程のころは,メキシコには物理学会しかありませんでした。この学会の中で光学関係のメンバーの人数が増えたので,オプティクスだけの団体を設立したのです。光学会の独立でどのようなメリットがあったのかと言うと,ICOやOSA,SPIEといった他の大きい団体と協定を結べるところです。そうすることでさまざまなサポートがえられます。例えばそれらの団体の主催する国際会議の割引,招待講演者への旅費やホテルの費用などの援助です。また,私たちが招待した講演者への謝礼を負担してくれます。
今年は国際光年ということもあり特別に2回,国際会議を開きました。メキシコ・オプティクス・フォトニクス会議と実験力学国際会議です。どちらの国際会議でも招待講演者はメキシコ人だけではなく,国外からも招待しています。メキシコ・オプティクス・フォトニクス会議の参加者は60人で国外から7名の方を招待しました。実験力学国際会議の参加者は111人で国外からは11名の方を招待しました。
日本からは谷田貝先生や荒川先生にも参加いただきました。次のページの写真にもあるように,荒川先生にはメキシコ・オプティクス・フォトニクス会議で行われたガリレオ・ガリレイ賞(Galileo Galilei Award)のプレゼンターをしていただいています。
このような大きな国際会議ではもちろんのこと,国内の講演会でもスペイン語ではなく,英語を使用します。これは学生を英語に慣れさせるためという目的があります。
英語の能力は人次第ですけれども,今のメキシコでは,幼稚園から英語を勉強しています。私が子どものころは12歳からでしたからだいぶ早くなっていますね。比べてみても今の人たちのほうがみんな英語を話せるようになっていると思います。
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Dr. Amalia Martínez García (あまりあ・まるちねす・ぐらーしあ)
メキシコ・モンテレーのUANL(ヌエボ・レオン大学)において自然科学学部の物理学の学士号を取得。メキシコ科学研究・高等教育センター(CICESE)にて応用物理学の修士号を取得。メキシコのレオン市にある光学研究センター(CIO)で光学の博士号を取得。その後,CICESEの研究者を経て,CIOの教授,国家研究者システム(SNI)のメンバーを務める。SPIEとOSA会員。メキシコ光学会(AMO)の会長を務める(2015-2016)。●研究分野
ホログラフィー,スペックルとモアレ技術,画像相関とステレオビジョンシステム