セミナーレポート
生体認証技術を活用したデジタルトランスフォーメーションの最新事例~NEC I: Delightで実現する新たな体験~日本電気(株) エンタープライズビジネスユニット デジタルインテグレーション本部 勝浦 啓太
本記事は、国際画像機器展2021にて開催された特別招待講演を記事化したものになります。
>> OplusE 2022年1・2月号(第483号)記事掲載 <<
誰でも安心してデジタルを活用できる世界に
世界の人口は2020年までの10年間で約10%増えてきており,2050年には95億人を超えると予測されています。一方,デジタル化の波が急速に進み,2022年には約350億個のIoTデバイスが普及すると言われています。今後ヒトとモノに膨大な接点が生まれ,連携するなかから高度で多彩なサービスが実現していくでしょう。NECでは,デジタルをゲームチェンジのビジネスチャンスと捉えており,多くの企業やパートナーと連携して,今回紹介させていただく生体認証の技術を活用しながら,新たな価値創造を実現しております。社会におけるヒト・モノ・コトをデジタルでつなげ,新しい価値を生み出し,人々の生活やビジネスをより良く変えていく「デジタルトランスフォーメーション」という考えのもと,現実世界のヒト・モノ・コトをデータとして「見える化」し,人の処理能力では難しい大量なデータをAIにて「分析」し,分析結果による新たな発見や深い知識の共有など現実世界にむけた「対処」を行い,サービスやソリューションによる新たな価値を創造します。この中で生体認証は「見える化」に役立つ技術です。新しい価値創出のためにAIで分析するためのデータが必要となりますが,このデータの質が悪ければ,正しい分析結果を導き出すことができないため,NECは現実世界の出来事を正しくデータ化する「生体認証技術」に注力しています。
NECでは現在,顔,虹彩,声,耳音響,指静脈,指紋・掌紋という6つの生体認証の技術を保有しており,自分自身をIDとすることで盗難や改ざんなどがなく,実世界とデジタル世界を繋ぐ扉として活用できる技術として,誰もが安心してデジタルを活用できる世界を目指します。
NECは生体認証技術の研究を約50年前の1971年の指紋技術研究に始まり,1989年には顔認証,2007年からは虹彩認証の研究を開始しました。2021年には,虹彩認証,顔認証について米国国立標準技術研究所(NIST)のベンチマークテストで世界No. 1*を獲得しました。
社会に受容されるAIの提供を目指し,「人が生きる,豊かに生きる社会」の実現に向けてプライバシー保護や人権の尊重に向けた活動を強化し,2019年4月に「NECグループ AIと人権に関するポリシー」を発表し,安心,安全,公平,効率に適用していくことを宣言しております。
*顔認証:FRVT Ongoing(2021),虹彩:IREX 10(2021)
NISTによる評価結果は米国政府による特定の製品,サービス,企業を推奨するものではありません。
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日本電気(株) エンタープライズビジネスユニット デジタルインテグレーション本部 勝浦 啓太
NEC入社後,海外の通信関連のSIやプロダクトマネージャーや交通事業者の営業などを担当し,2021年4月より現職。