セミナーレポート
クラスター対策に貢献するAI技術とコロナに強い社会を作るための画像業界への期待(株)アドダイス CEO 伊東 大輔
本記事は、国際画像機器展2021にて開催された特別招待講演を記事化したものになります。
>> OplusE 2022年3・4月号(第484号)記事掲載 <<
腕時計型ウェラブルIoTを活用したクラスター対策ソリューションを提供
アドダイスは,人工生命時代のAI基盤作りに取り組んでいるAIスタートアップ企業です。私のほかに,MIT(マサチューセッツ工科大学)のリサーチャーや東京大学の医療研究者などが集まっています。私たちは,特許技術のSoLoMoNテクノロジーを独自開発しました。その特徴は,ブラックボックスと言われるAIの判断過程の観える化です。ゲージのツマミで調整ができ,アカウント発行後にログインするだけで利用可能で,DX(デジタルトランスフォーメーション)をスタートできるのです。現在,導入実績も続々と増えており,旭化成グループの検査部門では,画像検査向けの「HORUS AI」を導入され,また,相鉄線の相鉄ジョイナスでは,空調制御を6年がかりで完全AI化することで大幅にクレームを削減し,省力化とエネルギーの削減にもつながっています。アドダイスでは,新型コロナウイルスの影響を機に,医療とAIの知見を活かして,最新テクノロジーで感染制御を進め,1人でも多くの命を救い,社会が持続的に継続できるようにするための「COVID-19-ResQプロジェクト」を立ち上げています。その成果として,企業や団体がクラスター対策に取り組めるように,腕時計型のウェラブルIoTを活用したクラスター対策ソリューションを提供しています。腕時計型ウェラブルIoTの「ResQ Band」をスマホと連動させ,クラウドAIにより集中管理しています。装着者の健康データは関わりのある医療機関をはじめ,介護施設,企業・団体,ご家族などにデータ共有されレッドゾーンになれば自動で通知が行くようになっており,これまで個人任せだった健康管理を組織が積極的に受けもち,皆で見守り合うことを可能にしています。国内の実証実験はすでに25か所に達しており,海外でも利用が始まっています。IoTによるデータ共有だけでなく,次に起こる変化をAIが予測する機能を近日中にサービスインします。これらは,東京大学医学部の予防医療の専門家の医師が全体を監修しています。
東京23区とほぼ同じ広さをもつ愛媛県久万高原町にある唯一の町立病院では,住民にResQ Bandをつけていただいていて,わずか3名で住民の見守りを可能にしています。
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(株)アドダイス CEO 伊東 大輔
広島県出身。東京大学法学部卒。広島大学デジタルものづくりセンター客員教授。医仁会武田病院臨床研究センター研究員。自らAIシステムを開発するエンジニア経営者。環境ビッグデータに対する専門家の判断措置をAI学習し環境制御の特許を取得。独自開発したAI技術SoLoMoNテクノロジーにより,業務革新をもたらすサービスを提供。