第4回 画像研究界を絵巻物的疾走中!旗手の青木義満先生
1.序
慶應義塾大学青木義満先生の話しぶりは『鳥獣人物戯画』の絵巻物を鑑賞するときにも似て,時空の展開が混ざり面白い。いつの間にやら絡めとられ,心地よく納得させられる。理にのみに走らず理の隙間までみせてくれる感じである。注視と周辺視がつねに混ざり合い,スライドのコマとコマの隙間の,独特な連続性に気遣っている様子が筆者には聞こえ,映っている。デジタルなロジックの物語(ストーリー)がアナログテイストに実装(マウント)されている,といった佇まいである。この稀有な営みは,画像研究世界でもDX全盛の今こそ貴重ではないだろうか。
この青木先生の魅力が,画像研究界にいよいよ発揮されてほしいと願い,心からエールを贈りたい。青木先生はもはや画像研究界のトップランナーのお一人であり,若き友人というとお叱りの声もあるかもしれない。しかしこのような佇まいの旗手は寡聞にして知らず,また,現今の画像研究界にとってその佇まいは不可欠と思われる。
写真1は,先生のLINE壁紙のデザインである。偶然にしても何とも微笑ましいエピソードにて恵贈いただいた。青木先生の佇まいを映して余りある。
「鳥獣人物戯画の鞠をラグビーボールに変えて刺繍したものです。いろいろな動物がボールをめぐって戯れる様が,ラグビーに重なる」(ご夫人の刺繍作品)
写真1 青木先生の鳥獣人物戯画的疾走
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